Trial 体験申込
未分類 2024.08.06

#029 肥満になりにくい1日の生活行動とは?(補足編)

前回の補足として、減量を目標として肥満になりにくい生活習慣を考えてみたいと思います。

■カロリーの制限(コントロール)

減量の基本は、摂取カロリー(−)と消費カロリー(+)のバランスです。

摂取カロリーの制限の注意点は、「継続の難しさ」と「低栄養」です。

「継続の難しさ」と「低栄養」には、減量のペースから判断することをおすすめしています。

おすすめする減量のペースは、1ヶ月で体重の2〜4%の減量ペースです。それ以上のペースは、減量の数値(客観的な結果)以上に精神的なキツさ(主観的な結果)や身体の適応反応を不均衡状態にするため、リバウンドや体調不良、免疫力の低下が見られます。

短期的な摂取カロリー制限における減量は一時的な効果は見られますが長期的には効果が見られにくく、「やせる」というよりは「やつれる」という表現が正しいと私は考えています。

具体的には、標準的な身体活動レベルの場合(長時間のデスクワーカーではない人)の年齢:30〜49歳、男性:約2700kcal消費カロリー/日、女性:約2050kcal消費カロリー/日です。

内訳として、基礎代謝(約60%)+運動消費(約30%)+食物消化(約10%)です。

運動不足(運動消費がない)になると摂取カロリーの余剰分ができてしまいます。

摂取カロリーを全て消費できなかった場合の余ったカロリーを体脂肪として蓄積されます。

また、睡眠の質を向上させることで生活リズム(食事や運動習慣)が整い総摂取カロリー量(±0)を抑え、消費カロリー(+)を増やす健康維持や減量に必要なカロリーバランスをとりやすくなるため睡眠はとても大切です。

上記の通り、カロリー制限の継続は、急激な摂取制限によるエネルギー消費を抑えることによる適応現象(エネルギー不足から体脂肪を維持しようする)と体重減少の停滞期によるリバウンド(心理的ストレスによる我慢の限界)に注意が必要です(汎適応症候群)

カロリーの極端な制限は食事量を少なすることで健康の維持に必要な量の栄養が摂取できず(栄養不足)、低栄養の状態になりやすいリスクがあります。

健康の維持と体重減少と体重維持にはカロリーを適切に±コントールし栄養素の摂取に意識を向けることがポイントです。

運動消費エネルギー2000kcal以上/週を目標にして、食事の質(カロリーの質)をよく考え、良質な糖質、タンパク質、脂質を食べることとエンプティーカロリーを抑える/避けることが大切です。

*運動消費エネルギーの目安表(添付資料参考)

■極端な糖質制限よりもローカーボ

糖質を控えるメリットは、インスリンの過剰分泌を抑えることです。

糖質とは炭水化物の内、人が消化できない食物繊維を除いたもの(炭水化物=糖質+食物繊維)で、糖質は単糖類(ブドウ糖など)まで分解され、血糖値(ブドウ糖の血中濃度)を上げることで膵臓から血糖値を下げるインスリン(ホルモン)が分泌されます。

インスリンは血中の糖分を脂肪に変えて体に溜め込む働きがあり、血糖値の急激な上昇はインスリンの分泌量を増やし体脂肪の増加(脂肪細胞の肥大化)に繋がります。

極端に糖質(身体を動かすエネルギー)の摂取を制限することで、脂質(脂肪)をケトン体に変換させエネルギーとして消費しやすくさせる効果を期待している(体脂肪の減少)方法が糖質制限ダイエットです。

短期的な摂取制限に減量効果は見られますが、長期的な減量効果は健康へのリスクとリバウンドにより期待は少なく、これまでほとんどの方がリバウンドを経験しています。

そこで減量や体脂肪の増加を抑止する目的には、適正な糖質摂取量に調整し血糖値の上昇を抑える「ゆるやかな糖質制限=ロカボ(ローカーボ)」をおすすめします。

1日の糖質摂取量:70〜130g(1食あたり20〜40)に抑える ※注意:デザートは10g以下

糖尿病患者や血糖値の乱高下(改善)と肥満改善を目的とした方法として用いられています。

良質な炭水化物(ビタミンと食物繊維が豊富な)の選択と摂取が重要です。

数値を細かく見ることが難しい場合は、

・菓子類を週2回以上食べない

・甘い飲料を飲まない(人工甘味料の飲料も含む)

・アルコールを過剰摂取しない&週2回以上摂取しない(ノンアルコールも含む)

など行動ベースで考えてみることをおすすめします。

■減量における男女差

男性より女性が痩せにくい理由として月経周期(生理機能)であります。

月経(妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、出血とともに排出されること)は、思春期〜閉経を迎えるまでの約30〜40年間続き、卵巣や子宮内膜、ホルモン分泌などには月経周期に応じた変化が生じます。

月経終了後(月経から約3〜7日後)の卵胞期は卵胞の成熟を促すエストロゲン(女性ホルモン)が分泌されはじめ排卵(約14日後)前にピークを迎えます。エストロゲンは脂肪燃焼しやすくする効果があるため、減量に向いている時期といわれています。

排卵後の黄体期(月経から約14〜28日後)では、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量がピークを迎え、ホルモンの影響を受け、体が水分を溜め込みむくみやすくなり体重が増えやすく、心身の不調(イライラ、抑うつなど精神症状PMS:月経前症候群)があらわれる時期となり、過食となりやすいので注意が必要です。無理な運動や食事制限は控えて身体を休めることが大切です。月経には個人差はありますが非常に身体にストレスを与えているものであるという理解が必要です。

男性は、テストステロン(男性ホルモン)が分泌され、男性生殖器を発達させる機能に加え、筋肉や骨量を増加させたり、体毛を成長させたりする機能があるため、女性に比べて、筋力トレーニングの効果が現れやすいです。また、女性に比べて内臓脂肪を溜め込みやすい性質があるといわれています。

男性の場合は、ゴール(目標体重)を決めて、食事摂取エネルギーと運動消費エネルギーのエネルギー出納をコントロールすることで効果が出やすいケースが多いと報告されています。

女性の場合は、食事の時間、量、間食(おやつなど)の摂り方、運動時間などの1日の生活行動パターンのルールを決め守ることで結果(効果)が出やすいケースが多いと報告されています。

◆参考

・Newton別冊「からだの検査数値」

一覧に戻る