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未分類 2024.10.26

#037 秋から冬の体調管理①

これから秋から冬にかけて体調管理には十分に気をつけたい時期です。

昨年の全国の感染症報告推移を見ても10月上旬から翌年の3月中旬までに感染症報告が多いことがわかります。

近年では、在宅ワークが増えたことによる行動範囲の低下や日常生活においての運動不足、気候変動の影響を受けた寒暖差による疲労や体調不良も多く見られます。

中でも年末や年始では、友人や会社の仲間や家族や親族で集まる機会が増えるからことから感染症にかかる可能性が高まり、生活習慣おいてについて「運動不足になる」、「食生活が乱れる」、「外食機会が増える」と多くの声が上がり、新しい年を迎える頃には、「定期的に運動をしたい」、「規則正しい睡眠を守りたい」、「食生活を改善したい」など生活習慣の改善を考える方が多いと報告もされています。

今回は、まずライフワークを低下させないための体調管理に目を向けた行動を考えてみたいと思います。

■コンディショニングとは?

コンディショニングとは、パフォーマンス発揮に必要な全ての要因をある目的に向けて望ましい状態に整えることです。

身体を鍛えていても、コンディション(身体の状態)が崩れてしまうとパフォーマンスを発揮することができません。

ライフパフォーマンスの向上や維持のためにコンディショニングを実施することは必要不可欠と考えています。

そのためにはコンディションを良い状態に維持するための免疫力/免疫機能を高めることが大切です。

■コンディションと感染症

秋から冬にかけて体調管理に気をつけたい時期の注意すべきことの代表的な例は感染症です。

かぜや胃腸炎、新型コロナウイルス、季節性インフルエンザウイルスなどへの感染症に特に気をつけるタイミングです。

感染症にかかることで生じる問題として、体調の悪化、運動/トレーニングの中断、体力の低下、集団生活においては、家族への感染や職場や学校などでの感染拡大、欠勤が続く、ワークパフォーマンスの低下、スポーツ活動の停止などライフパフォーマンスに大きな影響を与えます。

■免疫機能を意識した予防

免疫とは?

免疫とは病気から身体を守る機能のことです。粘膜免疫と全身免疫に分けられます。

粘膜免疫には、目・鼻・口などの粘膜で病原体をブロックするバリア機能があります。ウイルスや細菌などの病原体の侵入を防ぐ役割があります。

全身免疫には、侵入した病原体を白血球が排除する機能です。発熱や痛みなどの体調不良につながります。

つまり、病原体の侵入を防ぐバリアの働きを持つ粘膜免疫を高めることが重要です。

粘膜免疫でとても重要な役割を持つのが分泌型免疫グロブリンA(SIgA)です。

SIgAは唾液や鼻水(鼻汁)、汗など分泌液に含まれています。病原体の侵入を阻止したり、毒素を中和させたりする作用があります。からだにとっての異物を排除するための生体の自然な防御反応と言えます。

免疫機能が低下する原因として、疲労、ストレス、人との接する機会が増える(病原体が侵入する可能性が多い)生活習慣の乱れなどが考えられます。

その要因として、激しい運動や長時間の労働、減量(脱水や食事制限を伴うもの)、月経異常、長距離移動(飛行機や自動車、新幹線などを利用した出張、旅行、帰省など)

■免疫低下のサイン

免疫機能の低下は3つのサインでセルフチェックできます。

1.休養してもいつも以上に疲労が残っている

→運動(肉体労働)やトレーニング後に休養を取っているのにコンディションが悪い状態が続いている

2.就寝時すぐに寝付けない、起床時になかなか起きられない

→睡眠効率が悪い状態が続いている

3.こまめに水分補給をしても、口の渇きが続く(体重2%以上の減少を伴う)

→唾液が減少していることで粘膜免疫のバリア機能が低下している

*唾液に含まれるSIgAや多くの抗菌・抗ウイルスタンパクが減少している状態が続いている

■感染予防のためにできるコンディショニング

1.病原体の侵入を防ぐ行動をとる

①手洗い、うがい、消毒

 目や鼻、口の粘膜をできるだけ触らないように注意する

②マスクや加湿で粘膜を保湿する

 密室空間(飛行機内や電車内など)、特に乾燥した環境では加湿器を利用したり、マスクを着用して周囲への飛沫や病原体の侵入を防ぐ行動をとる

③寒暖差に注意する

 移動時には気温や室温に合わせた服装に気をつけ身体を冷やさないように注意する

2.免疫機能のリカバリーとなる行動をとる

①運動や労働後の疲労やストレスによる免疫機能の低下を回復させるためにストレッチやマッサージをする

②7時間以上の睡眠時間を確保して、睡眠をとる

③リラックスする時間をとる

入浴やアロマデラピー、音楽や映画鑑賞、読書、笑うなど自身のリラックス法を見つけ、睡眠効率を下げないように睡眠前の目からの光の刺激には十分い気をつける

3.トレーニング内容の調整(適切な運動への調整)

無理をせずに体調を考えた運動強度や時間で運動に取り組みます。

運動量を抑えることは疲労の軽減とともに免疫機能回復にも良い影響を与えます。定期的な運動量の調整が大切です。

4.栄養バランスの良い食事をとる

免疫機能において基本的な食事の構成である主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物、水分を心掛けるとこが大切です。

ビタミンAが不足すると唾液SIgAが減少します。ビタミンDは免疫機能を調整する役割を持ち、唾液SIgAを増加させます。

タンパク質は免疫細胞構成に関わるため不足しないように注意します。

乳酸菌を継続して摂取することで免疫機能は徐々に高まり1ヶ月程度で向上します。特に体調管理に気をつけたい時期では事前に乳酸菌の継続的な摂取を考えておくことが大切です。

◆参照/引用

・「冬の生活習慣に関する実態調査」2023年 株式会社CureApp

・厚生労働省「室温と高血圧、睡眠の関係性」2024年作成

・厚生労働省「インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移2023/2024」

・独立行政法人 日本スポーツ振興センター/ハイパフォーマンスセンター「アスリートのためのトータルコンディショニングハンドブック

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