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未分類 2023.12.29

#09感染症からのトレーニング復帰

今回は、新型コロナ発症からトレーニング再開/復帰を検討する際のポイントをご紹介いたします。

また、上記に限らずなんらかの理由でトレーニングや運動の中断期間が長期(10日以上)になった後の再開にも活用できる内容となりますのでご参考にしていただければ幸いです。

トレーニングの安全性と非活動期間後のリスク要因

今回の目的は、トレーニング中断期間が長期に発生した後、再開によるケガや症状の悪化、死亡リスクの増加を避けるため、一定の期間をかけて身体のコンディショニングレベルをトレーニングへ適切に順応させ、健康への悪影響やリスクを軽減するため漸進的かつ段階的なプログラムを構築することです。

新型感染症の療養期間や長期出張、スケジュール多忙、ディトレーニング等の理由により、トレーニング中断を余儀なくされた場合、自宅療養や在宅ワークなど活動範囲も縮小された状態が続き、身体の体力レベル(筋力、筋持久力、心臓血管系能力など)は低下していると考えられます。また、強度や負荷に耐える力、筋や靭帯組織の剛性も低下している可能性が高いためケガのリスクも高くなリます。

プログラム構成時の注意点

適切なトレーニング指針を決定する際に、トレーニングレベルや環境的及び外的要因を考慮する必要があります。特にトレーニング初心者は、導入的な局面から再開するのが一般的ですが、中級・上級・アスリートは、オーバートレーニングを避けるために全セットでオールアウトまで行なうような取り組みを推奨しないようにするべきです。

・プログラム再開前に現在の体調、疲労レベル(睡眠状況、栄養摂取など)を事前のスクリーニングを実施する

・クライアントの体力レベル、トレーニングレベルを考慮する

・環境設定(外気温、室温、湿度、施設内の清掃と消毒など)を考慮する

・トレーニングができなかった期間を考慮して、漸進的な負荷設定をする

・高強度エクササイズなどの追い込みなどでオーバートレーニングに陥らないように十分に注意を払う

・ストレングストレーニングは1週間の中で分割して再開当初のある一定期間内は3回までとする

・セッション間の休憩日は1〜2日(24〜48h)を設ける

・伸張性トレーニングや瞬発的なトレーニング種目に考慮する(非活動期間の長期化により、遅発性筋痛(D O M S)に注意する)

・特異的な動作パターンは、準備段階を考慮して段階的に実施する

・十分なウォーミングアップを設ける

・心肺血管系能力の低下を予測して、時間、負荷設定に注意する

・身体活動代謝が下がっていることも考慮して、水分補給、脱水症状に注意する

・疲労するような多量の最大下でのエクササイズを行なったり、短い時間で急激に行なったりすることを避ける

その他

・スポーツやクライアントの特徴に関連する動作パターンを再構築するために、 毎日10〜20分の動的ウォームアップを積極的に行なう 

・虚脱の病歴、喘息、糖尿病などのリスクがあるアスリートについて、医療スタッフやコーチングスタッフと定期的に情報共有する

・アスリートの状況を追跡するための事前スクリーニング、予備調査、および/またはワークロードモニタリングの実施を検討する 

・特に高温多湿環境下の場合、環境要因に合わせてワークアウトを計画および調整する

・「メンタルタフネス」を発達させる目的で、身体を疲労困憊まで消耗させるトレーニングを行なわない

トレーニングプログラムのガイドライン

NCAA(全米大学体育協会)とNATA(米国アスレティックトレーナーズ協会)が推奨する総合ガイドラインを参考に筋力(ストレングス)、コンディショニング(有酸素性など)トレーニングのトレーニング再開/復帰移行期間)のポイントをご紹介します。

最大のポイントは、運動:休息の日を低下させ、徐々に十分な強度まで漸進させることです。

2〜5週間を目安に移行期間を設定します(個人の体力レベルにより異なります)

筋力トレーニングは「FITルール」を参考に頻度、強度、量、休憩時間を調整します。

コンディショニングトレーニングは「50/30/20/10ルール」を参考にトレーニング中断前の最大値から量、作業負荷を減少させる調整をします。

トレーニング量、強度、および 運動-休息比の上限を調整します。 特にか体重や体力不足など体格指数の高い(BMI≧30)は、一般的に順応に時間がかかるため、急激な運動負荷は、熱中症、熱射病などのリスクを高めるためトレーニング前後の状況の把握、体重チェック、水分補給、ウォーミングアップなどトレーニング前に環境を整えることも大切です。

まとめ

筋力、、筋持久力、筋パワー、心肺持久力、可動性、柔軟性、固有間隔、特異的な機能などの計測可能なトレーニングファクターをモニタリングしながら、移行期間のプログラムを構成しましょう。

◆参考

・不活動後の移行期にトレーニングに安全に復帰するためのCSCCaとNSCAの合同総合ガイドライン

・National Strength and Conditioning Association (NSCA) COVID-19  Return to Training Taskforce 

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