前回#011でご紹介の通り、生活習慣病は、食事、運動、睡眠、たばこの喫煙、ストレスといった生活習慣が原因で発症します。
高血圧症、肥満、脂質異常症、糖尿病はそれぞれが相関関係をもちいており、一つが発症すると連鎖的に次の病気が発症することから「死の四重奏」と呼ばれています。
改善されずに進行することでがん、心疾患、脳卒中といった命に関わる病気の発症リスクが飛躍的に高まります。最悪のケースを迎えることもあるため、四つの生活習慣病は、一つの病気として考える方が良いと北村聖氏(東京大学名誉教授・地域医療振興協会顧問)は述べています。
下記より相関関係を紹介します。
添付の「死の四重奏の相関関係図」を参照してください。
・肥満、高血圧、脂質異常症はインスリンの働きを低下させるため、肝臓でのブドウ糖生成を促進し血糖値を上昇させてしまいます。
・血糖値が増えると血中ナトリウムの量も増え細胞内の水分がしみ出る。血液の量が増え血圧が上昇してしまいます。また肝臓が余分なブドウ糖を中性脂肪に変換し、血中の中性脂肪が増えます。そのため脂質異常症を発症させます。特に糖尿病を発症すると症状が進んでしまいます。
・インスリンが過剰に分泌されると食後の血中の糖や脂肪を脂肪細胞が取り込み体脂肪を増やします。結果として肥満を促進します。
・肥満になると血圧が上昇しやすくなります。循環する血液量の増加や運動不足・過食による塩分の取りすぎが原因です。
・肥満は、内臓脂肪を大量に蓄えるため、分解された脂肪酸が肝臓に流れ込み肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成が促進され脂質異常症を引き起こします。
以上
特に糖尿病は他の三つの疾患と相互に関わりをもっているため注意しなければいけません。
また、たばこの喫煙は、四つの病状を進行さえることが判明されており、「死の五重奏」とも呼ばれています。たばこ(電子・加熱式ともに)が与える影響は喫煙者のみならず非喫煙者にも必ず影響をもたらします。特に吸わない人への配慮は必要不可欠です。
・Newton別冊「からだの検査数値」
・厚生労働省「令和2年人口動態 統計月報年計(概数)の概況」